漏水事故後の防カビ工事がなぜ必要なのか① ― スケルトン状態でも安心できない理由 ―
2025/12/17
漏水事故後、スケルトン状態でも安心できない理由
漏水事故後の対応は、
水道工事業者による補修・止水、
建築業者による解体、
その後に復旧工事、
という流れが一般的です。
解体後、スケルトン状態になり、
コンクリート躯体を目視しても
「特にカビが見えない」 場合、
そのまま復旧してしまうケースは少なくありません。
実際、大手不動産会社や
リノベーション工事会社でも、
同様の判断が行われていることは珍しくありません。
しかし、
カビが見えない=安全
とは言い切れない現場が存在します。
目に見えるカビが無い=カビが存在しない、ではない
築年数が経過したマンションや団地では、
条件が整えば
目視できるカビになる胞子 が
すでに潜んでいるケースが多く見られます。
特に、過去に
・結露がひどかった
・天井や壁に黒カビが発生していた
・カビ臭を感じていた
こうした履歴がある建物では、
表面がきれいでも
内部環境はカビに有利な状態になっていることがあります。
スケルトン状態で
「今は見えない」
というだけで判断するのは、
少し危険と言えるでしょう。
📷写真は、漏水事故後スケルトン状態にした上でのコンクリートスラブ防カビ工事。
物凄いカビが繁殖していましたが、解体作業と防カビ工事で安心して復旧できる状況になりました。
防カビ工事は「後入れ」ではなく必要な「工程」
漏水事故後の現場では、
防カビ工事を
・大工の墨出し前日
・大工工事と同時進行
といった形で
無理やり日程にねじ込まれる
ケースがあります。
これは、防カビ工事の効果を
十分に発揮できない典型例です。
防カビ工事は
「時間が余ったら入れる工事」
ではありません。
最初から工程として組み込むべき工事
です。
コンクリート躯体は劣化・中性化によりカビやすくなる
築年数が経過したコンクリート躯体は、
経年劣化とともに
中性化 が進行しています。
中性化したコンクリートは、
・湿気を含みやすい
・結露が起きやすい
・カビが繁殖しやすい
という性質を持ちます。
見た目がきれいであっても、
躯体そのものが
カビに有利な環境
になっている場合があるのです。
吹き付け発泡ウレタンを撤去しない場合も要注意
漏水事故後の解体現場では、
吹き付け発泡ウレタンを
撤去せずに残す
判断がされることがあります。
しかし、発泡ウレタンは
一度湿気を含むと、
内部に水分を保持しやすい素材です。
表面が乾いていても、
内部に湿気や菌が残存しているケースは
決して少なくありません。
撤去しない選択をする場合、
防カビ工事は必須
と考えるべきでしょう。
発泡ウレタンの防カビ工事を制約なく行った時のイメージ画像です。
「薬品臭を出さない」という条件がなければ、最低でもここまですることは可能です。
工事現場では、解体後の防カビ工事を全く考えていませんので、このようなことが
発生してしまいます。当初からの防カビ工事を組み込んでおけば発生しない事例です。
「見た目は“セミの抜け殻状態”ですが、
カビは活動できない状態まで抑止しています。」
そういうやり方もあります。
明らかなカビや結露履歴がある場合は、迷わず防カビ工事を
以下のようなケースでは、
防カビ工事を行う必要性は
より明確になります。
・コンクリート躯体に目に見えるカビが発生している
・住んでいる時に結露が非常にひどかった
・お客様から「カビ対策をしてほしい」と明確な要望がある
これらは、
「念のため」ではなく
対策が必要なサイン
です。
まとめ|スケルトン状態だからこそ、防カビ工事が必要なのです
一見すると、コンクリート躯体に目に見えるカビが無い場合、
そのまま復旧してしまいがちですが…
漏水事故後、
スケルトン状態でカビが見えないからといって
そのまま復旧してしまうのは、
必ずしも安全とは言えません。
・築年数
・結露履歴
・コンクリート躯体の中性化
残される断熱材
これらの条件がそろう現場では、
防カビ工事は
「念のため」ではなく
必要な工程 です。
次回は、
中途半端な解体が一番厄介な理由
について詳しく解説します。
👉 漏水事故後のカビ対策・カビ処理の対応地域なら、「施工対応エリア」ページを参照ください。
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