内窓を付ければ結露は止まる?|窓は乾いても“天壁が濡れる”部屋の真実
2025/12/14
「内窓を付ければ、窓の結露は止まるんですよね?」
冬になると、この相談が急増します。
リフォーム会社や量販店のチラシにも、
・窓の結露が減る
・部屋が暖かくなる
・省エネになる
…と良いことばかりが書かれています。
もちろん、内窓そのものは良い製品です。
窓の断熱性能は確実に上がり、暖かさや省エネ効果も期待できます。
しかし――。
「内窓を付ければ、結露は完全に止まる」
この考え方だけは、少し危険です。
なぜかというと…
■ 窓の結露は減っても、“壁が濡れる部屋”があるからです。
内窓で“窓の断熱”は改善できますが、
部屋全体の湿度は変わりません。
冬は
・換気しない
・加湿器を強めに使う
・洗濯物を部屋干し
・在宅ワークで窓を閉め切り
湿度が高くなる条件が揃っています。
湿気は逃げ場を失うと、
必ず“より冷たい場所”へ移動します。
そして、その“より冷たい場所”が、
コンクリート直張り壁紙・天井・壁・梁・柱型なのです。
■ 実例①:内窓設置後➡天井結露で悪化の一途
まずは、こちらの写真をご覧ください。
📷写真は、内窓設置後、天井結露が一段と酷くなったお部屋です。
内窓設置後、湿気が逃げ難くなります。
お部屋は魔法瓶のように暖かくなりますが、暖かくなったということは
断熱効果の乏しい箇所に温度差を発生させ、激しい結露になるということです。
内窓設置を推奨する工務店やリフォーム会社は、天壁の結露がひどくなる
ことを事前に言いません。あくまでも結果論です。
📷写真は、内窓設置後の窓(複層ガラス)と樹脂アルミ枠に発生した結露により
内窓下の壁紙が結露水で剥がれてしまった事例です。
内窓を設置しても天井や内窓下壁が結露が発生して濡れることや良くあります。
■ 実例②:真空ガラスでも結露
これも良くあることですが、窓ガラスを真空ガラス(結露に強いガラスです)
に変更したら、アルミサッシの結露は止まらず、真空ガラスの周りにも結露
が発生したという事例です。
こうなる理由はシンプルで、
✔️アルミサッシが強力な“熱橋”だから
アルミは熱を通しやすく、
ガラス性能を“根本から崩す”レベルで冷えます。
その冷えがガラスに伝わり、
真空ガラスでさえ露点温度を下回った のです。
そして、結露水が下壁へ流れ込み、
壁紙にカビが発生してしまいました。
その繰り返しです。
プレモは内窓や真空ガラスを否定しているわけ
ではありません。
事前に、そうなることを推測した上で対策を
練る必要があるのでは?と考えています。
■ コンクリート直張り壁紙は「結露の受け皿」になりやすい
RC造の外壁は、
夜間に0〜5℃まで冷やされます。
そこに、湿度60〜70%の暖かな室内空気。
冬の朝は、温度差が15℃以上になるため、
外壁側の
・壁紙裏
・外壁側の天井や壁
・梁・柱型
・四隅
あらゆる場所が結露ポイント になります。
内窓を付けると、湿度は室内に閉じ込められるため、
この現象がさらに加速します。
■ 内窓は「窓の結露」を減らすのが目的であり、
「部屋全体の結露」を止めるものではありません。
ここが何より重要です。
・「窓が結露しなくなった!」
ではなく、
・「どこに結露が移動するか?」
を考えないといけません。
特に、
コンクリート直張り壁紙の部屋は“最初に濡れる場所”が決まっています。
■ 内窓の前に、最低限の断熱が必要です
プレモが強く推奨する順序は、これです。
1. 天井・梁・柱型の断熱(必須)
2. 湿度管理(冬でも換気が必要)
3. その上で内窓を検討
4. 最後に防カビ結露対策工事
この順番を守らないと、
・内窓で窓の結露は減る
・代わりに壁紙裏が“ドバドバ結露”
・春に原因不明のカビ臭
・夏に黒カビ再発
という負のサイクルが続きます。
■ まとめ:内窓だけで満足してはいけません
・内窓は窓の断熱装置
・結露の原因は「室内湿度×外壁の冷え」
・直張り壁紙は結露の逃げ場
・スペーシアでも結露は起きる
・内窓の前に断熱が必須
・コンクリート直張り壁紙の断熱なら、
防カビ結露対策工事という選択肢もある
■ まとめ
内窓は“窓の断熱”には効果的ですが、
住まい全体の結露を止める道具ではありません。
特にコンクリート直張り壁紙は、
・窓の結露が止まっても
・壁や天井が結露し
・カビの温床になる
という構造的な弱点があります。
内窓設置前にまずコンクリート下地に断熱をしましょう。
断熱が難しい場合は、防カビ結露対策工事という選択肢もあります。
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有限会社プレモ
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