冬なのに部屋がカビ臭い|家具裏と直張り壁紙の“見えないカビ”に注意
2025/12/12
冬は「結露の季節」と言われますが、
実は カビ臭だけが先に出てくる部屋 が少なくありません。
天井にスジは出ていない。
梁に黒カビも見えない。
壁紙も一見キレイ。
けれど、部屋に入ると 独特のカビ臭が漂う。
こうした“冬の臭気トラブル”は、
家具裏 × コンクリート直張り壁紙 × 換気不足
の3つが揃うと、どの家でも発生します。
プレモは毎年この時期になると、
「見えないのにカビ臭い部屋」の相談を多く受けます。
その原因を、現場目線で解説します。
■ 冬は「臭気の逃げ場」がなくなる季節
冬は暖房を入れるため、窓を開ける機会が一気に減ります。
・朝の換気をしない
・玄関も閉めっぱなし
・お風呂もすぐ閉める
・外出時はずっと密閉
・在宅中も寒くて窓を開けない
こうした生活習慣が重なり、
部屋の空気がほとんど動かない状態 になります。
カビ臭の正体である MVOCs(カビ由来の揮発性ガス) は、
本来は換気で薄まります。
しかし冬は空気が動かないため——
MVOCsだけが濃く滞留し、部屋全体がカビ臭くなる のです。
■ カビ臭は“見えないカビ”のサイン
冬のカビは表面に出てこないことが多く、
壁紙の裏側・家具裏・下地で静かに進行します。
特に コンクリート直張り壁紙 は注意が必要です。
・冷えたコンクリート
・室内の暖気
・家具で塞がれた空間
・逃げ場のない湿気
この条件が揃うと、
壁紙裏がゆっくり湿り、
裏紙と糊にカビが発芽 します。
しかし表面には出ず、
まず 臭気だけが先に部屋へ出てくる のです。
これは冬特有の“隠れカビ現象”。
📷写真は、高い湿度が動かない部屋の押入れのカビです。
現在も利用されている部屋の押入れカビなのですが、カビ臭も半端じゃなく
健康を害する条件が整っているとも思えるお部屋でした。
■ 家具裏は冬の「結露スポット」
冬の外壁側はよく冷えます。
その前に家具が密着していると、
そこは 24時間風が動かない穴蔵のような空間 になります。
その空気は、
・冷たい
・動かない
・湿気がこもる
・露点温度に達しやすい
結果として、
家具裏 × 直張り壁紙 という最悪の組み合わせが生まれます。
家具裏の壁紙裏で進行したカビは、
表面に現れないまま、
臭気(MVOCs)だけが部屋に漏れてくる のです。
家具を動かしても何も見えない。
でも臭う。
この場合は 下地側でカビが広がっている証拠 です。
■ ペット飼育の部屋は“冬の臭気”が倍増する
近年多いのが、
ペット部屋の冬のカビ臭・こもり臭。
理由ははっきりしていて、
・ペットヒーター(低い位置に熱源)
・ペットの呼気・飲み水の湿気
・トイレ砂の吸湿
・カーペットと毛布が湿気を保持
・換気不足
・ケージ裏の空気が常に動かない
・夏のエアコン低温度設定で発生したカビが
冬の結露により、繁殖が活発化してカビ臭を発する
・加湿器の使い過ぎ
これらがすべて 家具裏に湿気を運ぶ原因 になります。
結果として、
・家具裏カビ
・壁紙裏の黒カビ
・木質家具の背板のカビ臭
・部屋全体のカビ臭
こうした複合臭が冬に一気に増えます。
“ペットが原因”というより、
ペットに合わせた部屋の環境が原因 です。
📷写真は、家具裏と壁紙のカビです。
できれば…ですが、たまには家具を動かして裏を見てみましょう。
家具裏や壁紙のカビが、健康を害する原因にならないとも限りません。
■ 冬のカビ臭は「結露カビの前兆現象」
冬のカビ臭が出る部屋は、
ほぼ例外なく 後から結露症状が出てきます。
・天井にスジが出る
・梁に黒カビが出る
・柱型の角に点状カビが出る
・外壁側の壁紙が浮く
・結露が濃くなる
これは “臭気 → カビ → 結露” の順に現れる典型的な流れです。
冬のカビ臭を放置すると、
春には壁紙裏のカビが進行し、
最悪の場合 壁紙張替え+防カビ結露対策工事が必要になります。
📷写真は、天井と壁がコンクリート直張り壁紙の築40年以上の賃貸マンション(川口市)
結露が止まらないお部屋がたくさんありました。
このような時は、天井壁のコンクリート下地に防カビ結露対策工事を実施すると結露も収まり、カビ臭も消失することがあります。
■ 臭気だけ取っても再発します
市販の消臭剤や脱臭スプレーは、
「臭いをごまかす」だけで
菌はそのまま残ります。
カビ臭(MVOCs)は
菌が生きている限り出続けるため、
・芳香剤
・フィルター洗浄
・消臭剤
・空気清浄機
これらでは根本解決にはなりません。
■ プレモ式:除菌消臭+防カビ施工が根本解決
冬の臭気対策は、
「臭気対策」ではなく「菌対策」が本体 です。
手順はシンプルで、必ずこの順で行います。
1. カビ取り(漂白・殺菌)
2. 殺菌消毒(できる限りカビを死滅)
3. 防カビ施工(発育阻害環境を作ります)
4. 家具配置や換気方法の改善提案
天井壁下地が、コンクリート直張り壁紙 で、
結露がひどく発生する場合は、
防カビ結露対策工事をおすすめすることもあります。
臭気は“結果”であり原因ではありません。
原因であるカビと菌密度を下げない限り、
冬のカビ臭・こもり臭は止まりません。
📷写真は、コンクリート直張り壁紙の激しいカビ臭に対しての
防カビ結露対策工事(結露対策用シート貼り)を実施しました。
結露を止めて、防カビ工事を活かし、カビも抑止する一石二鳥の工事です。
■ まとめ
・冬でも部屋はカビ臭くなる
・原因は「家具裏 × 直張り壁紙 × 換気不足」
・ペット部屋は臭気が倍増する
・見えないカビが下地で進行している
・臭気だけ取っても再発する
・冬の臭気は“結露カビの前兆現象”
・根本解決は「除菌消臭+防カビ施工」
冬は結露だけでなく、
“臭気先行型のカビトラブル” が多い季節です。
見た目に出ていなくても、
カビ臭がする時点で 建物はSOSを出している と考えてください。
👉 カビ臭については、「カビ臭い部屋」ページを参照ください。
----------------------------------------------------------------------
有限会社プレモ
〒362-0062
埼玉県上尾市泉台3-17-28
電話番号 : 048-793-7148(担当:山田)
----------------------------------------------------------------------



