ペットの部屋、大丈夫ですか？｜見えないカビ・湿気・臭いのリスクと対策

「うちは犬（または猫）だけだから大丈夫だと思うんです」
この言葉を、プレモは現場でよく耳にします。

しかし実際には、ペットのいる部屋ほどカビ・湿気・臭いが溜まりやすく、壁紙の裏側で静かにカビが進行する部屋も少なくありません。
しかも、表面に黒カビが出ていなければ“写真に写らない”ため、
「うちはキレイだから大丈夫」と誤解されやすい場所でもあります。

ところが──
臭い（MVOCs）と湿気は、ペットにこそ影響が大きい。
人間よりも敏感に感じ取っています。

余談ですが、蛇にも嗅覚があります。
動物たちにとって、臭いは大事な情報なのです。

ペットがいる部屋は、湿気が集まりやすく“カビが育つ条件”が整っています。

● 呼吸の水蒸気

犬・猫・小動物は体温が高く、呼吸するたびに湿気を出します。

● 水皿・こぼれ水

蒸発した水蒸気が壁紙に吸われ、外壁側の天壁に留まりやすい。

● 換気不足

脱走防止で窓を閉めるため、空気が動かず湿度が滞留。

● 壁紙とコンクリートの温度差

特に冬の外壁側、夏の西日部屋は、
壁紙裏で結露が発生しやすくカビの温床になります。
マンションなどではコンクリートとの温度差はとても重要です。

写真では分からないのが特徴で、
本当に危険なのは“見えない裏側”です。

「黒カビはないのに臭いが消えない」という相談は非常に多いです。
この時の臭いの正体は、カビが出すMVOCs（カビ臭の原因）と、
ペット臭が混ざった「複合臭」です。

・壁紙裏のカビ
・床近くの湿気
・ケージ背面の温度ムラ
・ペット臭の吸着

これらが重なるため、
写真では絶対に伝わらない現象が多発します。

軽度の変色、うっすらしたカビ、湿った天壁。
どれも写真に撮ると“何もない部屋”に見えてしまいます。

しかし実際には、

・壁紙の裏でカビ
・石膏ボード内部に湿気
・結露による菌の発芽
・MVOCsが部屋中に広がる

これらは“臭いの方が先に出る”ため、
ペットの落ち着きが悪くなるケースもあります。

ここが今回のブログの最重要ポイントです。

プレモの
「壁紙剥がし → 下地カビ取り → 殺菌消毒 → 防カビ → 結露対策シート → 吸放湿壁紙」
というフルセット工事は……

理由：壁紙が“爪とぎ”で破損するから。

吸放湿壁紙は、

・湿気を吸う
・調湿する
・結露抑制に強い

という高機能壁紙ですが、
柔らかく、爪に非常に弱い特徴があります。

そのため、施工後に……

・毛羽立ち
・破れ
・引っ掻き傷
・シート層の損傷
・美観の悪化

・保証対象外の物理破損

が高確率で起きます。

ペットがいるご家庭では「想定外の破損」が起きやすいため、
プレモはペット部屋の結露対策工事は行いません。
壁紙を吸放湿壁紙からペット爪とぎに強い壁紙に変更する
と結露対策用シートの意味をなさなくなります・

これは品質を守るための大切な判断です。

犬猫の部屋でも、次の工事は問題なく行えます。

・カビ取り
・殺菌消毒
・防カビ施工
・臭いの元の処理
・クローゼット内部の防カビ
・床・巾木周辺のカビ臭対応

つまり、結露対策工事以外の防カビ工事は可能です。
ただし、防カビ工事する時は、ペットを隔離していただく必要があります。
工事後も2～3日はお部屋に戻さないようにしてください。
特に犬は嗅覚が鋭敏なので、一定期間の隔離が必要になります。

・臭いが残る
・壁紙が冷たい
・ペットが寝場所を変える
・湿気が抜けない
・エアコンを付けると臭う

これはすべて、
カビが内部で動き始めている合図です。

ペットの部屋は、湿気・臭い・温度差が重なり、
見えない場所でカビが進みやすい特殊な環境です。
しかし犬・猫がいる部屋では、
施工後の壁紙破損リスクが高いため、
防カビ結露対策工事だけは行えません。

通常の防カビ工事（カビ取り・殺菌消毒・防カビ）は対応可能です。
気になる臭い・湿気・カビがあれば、早めの対処をおすすめします。
カビの繁殖状況やペットを早めに部屋に戻したい時は、
中途半端な工事になる可能性があります。

防カビ工事を徹底的に行うなど行ってからペットを戻すようにしましょう。