住宅を守る床下防カビ対策

床下の酷いカビは時々遭遇します。最近は床下に潜る機会が大幅に減りましたので見る機会が減りましたが、床下木材合板に繁殖するカビは非常に厄介なもので、写真のような住宅床下カビは時間をかける必要があります。と言うのも50～60㎡（15～18坪）ほどで断熱材が入って無い住宅床下でカビ繁殖状況が酷い時は、カビ取り作業だけで2日～3日かかることもあるからです。

時短を好むお客様はキレイにならなくても「とりあえずやった！」感を良いと判断する方もおられますので、一概にじっくりカビ取り作業を行うのが良いとは判断されないことがあります。（弊社のやり方はカビを出来る限りキレイにした上で、殺菌消毒と抗菌コーティングである防カビ施工を行う防カビ工事を行っています）

時間をかけることを許さないお客様が増えているのですが、カビはそう簡単に再発防止出来るものではありません。ぜひ知っていただければと思います。

上記写真の床下木材合板のカビ取り作業をすると写真のようにキレイになります。本来はこの後殺菌消毒するのですが、予算や時間が無い人（共働き世帯）はこの状態で防カビ施工することを求めて来ます。正しいやり方はカビ取りし、殺菌消毒し、抗菌コーティングである防カビ施工を実施することですので焦るような床下防カビ工事は良いとは言えません。（こちらの住宅床下は最低4日～5日かかる状況でした。工事はリフォーム会社からは3日間しかいただけない非常に厳しい現場でした。通常は3日間です）

キチンと防カビ工事すれば、特殊事情（物凄い湿気がある床下や湿気が逃げない状況の床下・大引きが結露するような床下）以外であれば床下木材合板の防カビ対策になります。

余計な防湿シート・調湿材・床下換気扇は必要ありません。

給湯管からの漏水を10年以上放置し続けた結果床下合板にとんでもないカビが繁殖したのは東京都港区の住宅です。

45cm✕45cmの合板カビのカビ取り作業をするのに15～20分かかる状況でした。本来は合板交換レベルであり、床下木材合板に繁殖している酷いカビに防カビ工事を行うにはカビ取り作業に時間がかかることを承知いただく必要があります。

下見の際に潜って見て分かるカビ繁殖状況の酷さを痛感することが多いのですが、カビ取り作業を行いながら時間がかかる床下と言うのは実に多いものです。

防カビ工事が終わったらそれで終わりではありません。弊社の場合床下基礎断熱工法では定期点検を行うようにしています。時間が足りなく、どうしてもこの日数でなければいけない状況（前述写真の防カビ工事）でも定期点検は必要です。

さらに厄介な床下の場合は定期防カビ工事が必要になることがあります。定期点検の際にカビが再発した場所に防カビ工事することもあります。床下の木材合板カビはこれで良いと言うことはありませんので、何度も点検や小規模であれば防カビ工事で対応するのがベストです。

つまり時間と手間をかけないとカビは再発しやすい真菌という微生物であることを知っていただければと思います。

カビ取り作業はとても重要です。カビ取り作業とは漂白効果と思っていただければ結構です。殺菌消毒効果も多少はありますが弊社では多くの望みません。

近年のシロアリ駆除業者が行う床下のカビ処理においては、このカビ取り作業をほとんど行いません。ではどう行うか？防腐防カビ剤なるものをカビに大量噴霧しカビを下に落とすことを目的にしています。ちなみに防腐防カビ剤にカビ取り効果は一切ありませんのでお間違いなく。

床下木材合板のカビ取り作業です。前述のカビが漂白効果でキレイになるのが分かります。このカビ取り作業を行うか行わないか？で後々木材合板に新たなカビが繁殖するかどうか？の大きな分岐点になります。

皆さんはカビ取り作業をしっかり行う業者に床下防カビ対策である防カビ工事を依頼しましょう。

カビ取り作業翌日に殺菌消毒を行います。カビ取り効果（漂白効果）はありませんが、カビを出来る限り死滅させる殺菌消毒効果は桁違いに優れています。殺菌消毒を行った後、半日以上薬剤漬けする必要があります。床下木材合板に殺菌消毒すると住宅の通気口から発せられるカビ臭はほとんど消失します。

カビは建物内外に多くの種類があり、中での繁殖頻度の高いカビは57種類あると言われています。このカビを止め続けないと抗菌コーティングである防カビ施工の意味がありません。

弊社の防カビ工事の考えは非常にシンプルで「カビをキレイにした上で木材合板に抗菌剤を浸透させる」の一点に尽きます。

防カビ工事は2人で半日程度で終わるものではありません。（施工面積にもよります）焦って終わらせるのではなくじっくりとカビが繁殖し難いカビの発育阻害環境を木材合板に作りましょう。