漏水事故後の防カビ工事がなぜ必要なのか②―中途半端な解体が一番怖い
2025/12/18
中途半端な解体対応のほうが危険です
漏水事故後の対応で、
最も危険なのは、中途半端な解体です。
階上からの漏水事故後の対応を中心に考えたいと思います。
一見すると、
部屋をスケルトン状態まで解体した現場のほうが
被害が大きく見えるかもしれません。
しかし、防カビ工事専門業者として現場を見てきた立場から言うと、
中途半端に解体された現場のほうが、
後から深刻な問題に発展するケースが多い と感じています。
なぜなら、中途半端な解体では、
・解体していない壁の裏
・石膏ボードの裏側
・流し台裏や収納内部
・天井裏や下地材
といった
見えない場所にカビが繁殖している可能性を残したまま
復旧が進んでしまうからです。
中途半端な解体で起きやすい現象
中途半端な解体現場でよく見られるのが、
いわゆる 「パフォーマンス的な防カビ工事」 です。
これは、
・小さな床開口部
・点検口程度の隙間
・一部だけ開けた状態
から、防カビ剤を噴霧して
「防カビ工事をしたことにする」対応です。
しかし、この方法ではカビは止まりません。
パフォーマンス防カビ工事が効かない理由
防カビ工事は、
・カビの発生箇所が 目視できること
・薬剤を 直接・均一に塗布できること
・噴霧や刷毛が 確実に届くこと
この3点が、最低条件です。
小さな開口部からの噴霧では、
・カビの有無を確認できない
・塗布ムラが出る
・薬剤が届いていない箇所が必ず残る
結果として、
「やったつもり」の防カビ工事 になってしまいます。
小さな開口部からの防カビ工事は意味がありません
特に注意が必要なのが、
床や天井や壁に小さな開口部を設けて行う防カビ工事です。
この方法では、
・カビの全体像が把握できない
・壁紙裏や石膏ボード裏、下地材に対応できない
・結果として再発リスクが非常に高い
という問題があります。
目視できない場所のカビを、止めることはできません。
📷写真は、渋谷区のマンションフローリングに開口を設け、
そこから防カビ工事をして欲しい!と言う建築会社のリクエストです。
このようなことが日常的に発生します。見て分かる通りあり得ない
狭さですので、道具も入りません。
このような状況を 「パフォーマンス工事」 と呼んでいます。
防カビ工事は「見える・届く」が前提条件
防カビ工事は、
「薬剤を撒けば良い」工事ではありません。
・目で確認できる
・手が届く
・刷毛や噴霧が確実に当たる
この条件が揃って、
初めて 意味のある防カビ工事 になります。
中途半端な解体で行う防カビ工事は、
被害を小さくするどころか、
問題を先送りにしているだけ だとプレモは考えています。
📷写真は、過去に伺った地域ですが、川崎市の階上漏水事故後の事例です。
漏水事故後放置したために発見が遅れてしまった流し台裏のカビです。
流し台裏という分かりにくい場所にまで白カビが繁殖し、
室内にカビ臭が広がり、料理をすることもできない状態になっていました。
見えない場所のカビは、確実に生活に影響します
解体していない部分にカビが残っていると、
・室内にカビ臭が広がる
・空気環境が悪化する
・料理や生活が困難になる
といった問題が、
復旧後しばらくしてから表面化します。
特に流し台裏や収納内部など、
普段目に入らない場所に発生したカビは、
気付いた時にはすでに生活に支障をきたしている
ケースが少なくありませんし、コンクリート直張り
壁紙の裏などにカビが繁殖しやすいことがあります。
中途半端な解体は、問題を先送りにしているだけです
中途半端な解体で復旧を進めると、
・表面上はきれいに見える
・一時的に臭いが弱まる
ことはあります。
しかしそれは、
問題が解決したのではなく、
見えなくなった だけです。
後から、
・カビ臭の再発
・体調不良
・再解体
といった形で、
より大きな負担となって返ってくるケースもあります。
まとめ
漏水事故後は「どこまで解体するか」が重要です!
漏水事故後の対応で重要なのは、
どこまで解体し、どこまで確認するか です。
スケルトン状態にするかどうかよりも、
見えない場所にカビを残さないこと。
これを最優先に考える必要があります。
防カビ工事は、
見える・届く状態で行ってこそ意味があります。
中途半端な解体は、
被害を小さくするどころか、
後からもう一度お金と時間を使うことになり、
生活へのダメージも大きくなる選択 になりかねません。
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