白くなればOKですか?|壁紙の裏側で起きている“本当の結露とカビ”の話
2025/12/05
はじめに|白くなる=解決ではありません
壁紙の上からアルコールを塗り、
一旦“白く”なった。
見た目がキレイになった。
…それで本当に終わりでしょうか?
プレモは20年以上、結露とカビの現場を歩いてきた専門業者ですが、
現場で必ず実感することがあります。
「カビは“現象”ではなく“微生物”。カビを隠しても再発は必ず起きる」
カビだらけの部屋に直面した時こそ、
一番大事なのは“何を優先すべきか”を正しく判断することです。
壁紙の表面が真っ白に戻ると、
「キレイになったから、これで大丈夫ですよね?」
と、多くの方が思います。
しかし、防カビ工事専門の立場から言うと――
白くするのは、誰でもできます。
狭い場所なら尚更可能です。
アルコールを塗る、漂白剤を噴霧する、
それだけでも “一旦だけ” 白くなります。
でも 菌は死滅していません。
再発抑止もできません。
結露も止まりません。
白く見える=カビがいない、ではない
ここを理解していないリフォーム会社と内装職人が多すぎます。
① 問題は「壁紙の裏側」と「結露の構造」にある
壁紙の表面だけではなく、
裏打ち紙・石膏ボード下地までカビが侵食している部屋は少なくありません。
📷写真は、冬寒くて仕方ない部屋を放置し続けた結果の壁紙状況です。
そしてマンション・団地に多い
コンクリート直張り壁紙|GL工法 は、
構造的に以下のリスクを抱えています。
・コンクリートが冷える
・室内の湿気が吸い込まれる
・壁紙裏で湿気が滞留する
・GLボンドの空洞部分が“結露の巣”になる
・石膏ボードが薄い部屋は、さらに結露しやすい
・そして、カビは“壁裏で爆発的に増える”
白く塗り替えても、壁紙を張替えしても、
この構造が変わらない限り再発確定 です。
② カビ取り→殺菌消毒→防カビ施工は必須工程
カビが生えるのは、
湿気が入り込んでいる“壁紙の裏側”です。
③ 防カビ工事を今一度考える
最大の問題は「結露」——。
石膏ボードがここまで傷んでしまう理由は、
結露が止まっていないから。
そして結露を生むのは、ほぼ“構造”です。
・結露しやすい典型構造(天壁コンクリート直張り)
・GLボンド直張り
・発泡ウレタンが不十分
・外壁側の断熱不足
・冷え切った梁・柱型
・9.5mmの薄い石膏ボード
壁紙を張替えても、
アルコールを塗ったり、
浴室用カビ取り剤(混ぜるな危険)を塗って
白くしても…
結露を放置すれば再発は時間の問題 です。
④ 最適工事は 2つだけ
ここが一番大事な部分です。
✔️(1) 石膏ボード交換+必要箇所の断熱補強
壁を解体し、GLボンドを撤去し、
断熱材の入れ直し+新しい石膏ボードで再構築する方法。
メリット:結露原因が大幅に軽減される
デメリット:費用が高い/梁が膨らんで圧迫感が出る
✔️(2) 防カビ結露対策工事(結露対策用シート貼り)
プレモが実践している方法。
「外壁側の冷え」と「室内の湿気」が直接触れないよう、
結露対策用シートで“温度差の壁”を作る方法。
① 役割
・コンクリート下地の冷えを遮断
・コンクリート下地結露の調湿効果
・壁紙裏での結露を抑制
・カビ再発までの時間を圧倒的に延ばす
② 結露対策用シートを貼る条件と効果
・コンクリート直張り壁紙向け
(塗装下地は不可)
・石膏ボードに貼る場合は基本交換が必要に
(傷んだ石膏ボードは交換してからに限る)
・冬の結露が目に見えて減る
・3年保証(条件あり)
最も現実的で効果のある選択肢です。
「結露を抑えなければカビは止まらない」
と言う考えに沿った条件で考えると…
・壁紙張替えなら一冬越えたらカビが再発。
・壁紙張替え防カビ工事なら二冬越えたら
カビが再発することもあります。
いずれも結露が原因でカビは再発します。
・防カビ結露対策工事なら三冬以上結露と
カビを抑止し続けることが可能です。
結露を抑止するから防カビ効果も活きて
来るのです。
皆さんはどう思いますでしょうか?
⑤ 断熱材での“壁の厚増しリフォーム”は本当に正しいか?
最近は
「断熱材を貼って壁を厚くするリフォーム」
を提案される方が増えました。
リフォーム会社などからすすめられたのだと
思いますが、それが正しいか?踏ん切りが
つかない方が実に多いのです。
仮に、断熱工事を採用したら、
・梁の形が変わる
・圧迫感が出る
・枠・廻り縁との納まりが変わる
・“見た目のためのリフォーム”になる
・そして結露は止まらない
冷えたコンクリートは、断熱材の“裏側”
で結露します。
つまり…
残ったまま。
ということになりかねません。
これは多くの方が知らされていません。
⑥ プレモの答え
■ 最低限必要なこと
1. 壁紙を剥がす
2. カビ取り → 殺菌消毒 → 防カビ施工
3. 傷んだ石膏ボードは交換する
・長年結露で傷んでいる
・表面厚紙が剥がれ、石膏が見える
・穴が開いている開く可能性あり
4. 壁裏の状態を確認する
■ 再発リスクを減らすために必要なこと
5. 結露対策用シート貼り
6. 吸放湿壁紙で仕上げる
(防カビ結露対策工事の実施)
■ 重度・特殊ケースでは
壁解体+断熱補強+防カビ結露対策工事
(※大工と組んだ“再生型施工”)
ここまで行って初めて、
“結露とカビを止める施工” になります。
⑦ 最後に:白くするだけでは、住まいは守れません
カビが発生した箇所が白くなったら納得する皆様へ。
そこで納得していたら、同じことを繰り返す
ことになりかねません。
いつまで同じことを、繰り返しますか?
白くするだけの防カビもどき施工は、
“現象の隠ぺい”でしかありません。
プレモが目指すのは、
真菌類を抑止して、結露を止める。
そして再発しにくい部屋をつくる。
という“再生型防カビ工事”です。
マンションでも、団地でも、築古でも、
コンクリート直張りでも、GL工法でも、
やるべきことは変わりません。
結露を抑えなければ、カビは止まらない。
この真実を、これからも伝え続けていきます。
【対応エリア】
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