化学物質過敏症のお住まいには防カビ工事を行いません|安全に止める方法は存在しません
2025/11/10
① 防カビ工事は「どんな家にもできる」とは限りません
防カビ工事は、どんなお住まいにも対応できると思われがちです。
しかし、実際には施工してはいけないケースが存在します。
そのひとつが、化学物質過敏症やそれに近い体質の方が暮らすお住まいです。
プレモでは過去に3件、こうしたご相談をいただきましたが、いずれも施工前に撤退しています。
理由は単純で明快です。
「薬剤を使わずにカビを止める方法は存在しない」からです。
📷写真は、カビ臭い戸建住宅の防カビ工事です。
徹底的な殺菌消毒作業と防カビ施工でカビ臭を止めています。
当然のことですが、人体に安全性の高い薬剤を使用していますが、
できる限りカビを死滅させるには一定濃度が必要になりますので、
化学物質(殺菌剤や抗菌剤)が必要になります。
📷写真は、埼玉県草加市(ご相談エリア)の戸建住宅床下防カビ工事です。
目視するカビが無い時でも、殺菌消毒作業+防カビ施工は必須です。
床下木材合板をキレイにし、カビをできる限り死滅させ、再発防止するには
防カビ施工が必要です。いずれも化学物質ですので化学物質過敏症の方向け
の工事ではありません。
② 化学物質過敏症とは
化学物質過敏症とは、一般の方には問題のない微量な化学成分にも反応してしまい、
頭痛・吐き気・倦怠感・呼吸苦などを起こす体質のことを指します。
わずかな刺激でも体調に影響が出るため、
「できる限り化学物質を使いたくない」というお気持ちは当然のことです。
しかし、防カビ工事は「化学的反応」によってカビの根(菌糸)を分解・死滅させる施工です。
その反応を完全に排除することは不可能であり、
体質的なリスクを伴う方にとっては、安全な工法とは言えません。
※一般の方は特に問題になる工事ではありませんのでご理解ください。
※化学物質過敏症の方のお住まいやお部屋は、住みながらの防カビ工事は
不適格とお考えください。もしくは、化学物質過敏症もしくは類似する
ような体質の方がいない時に工事するなどの配慮が必要になります。
③ 自然由来・無機素材で“止まらない”理由
世の中には「自然由来」「植物性」「無機素材」といった言葉が多く出回っています。
確かに一見安全そうに感じますが、現場での実効性はまったく異なります。
自然由来成分や無機系コーティング剤は、
「防カビ(カビの発育抑止)」レベルにはなっても、
「カビ取り・殺菌消毒(根の分解・死滅)」レベルには達しません。
カビの根は、壁紙や石膏ボード、木材の内部まで侵入しています。
自然成分では、その深部まで化学反応を起こすことができず、
結果として「見た目はきれいだが、根は残る」という状態になります。
つまり、化学的反応がなければ“止める”ことはできないのです。
④ プレモが撤退した3件の実例
これまでに対応した3件はいずれも、「体に優しい防カビ剤を使ってほしい」とのご希望でした。
プレモではできる限り安全性の高い薬剤を選定していますが、
それでもお客様の体調や体質には完全に対応できません。
カビ処理をする前に、お客様の体調を考えた次第です。
現場調査の段階で、「このまま施工を行うと体調を崩される可能性がある」と判断し、
すべて撤退しました。
防カビ工事は、薬剤を空気中に散布するのではなく、
壁や下地に直接反応させる“化学的抑止施工”です。
つまり、化学反応のない防カビ工事は存在しません。
⑤ できない施工を「できる」とは言わない
最近は、化学物質過敏症や自然派志向の方に向けて、
「天然素材の防カビ」「アロマ系抗菌」などを謳う業者も見られます。
しかし、それらは“臭いを一時的に覆う”だけの施工に過ぎず、
菌を止める力はありません。
プレモでは、「できないものをできるとは言わない」という原則を守っています。
それは、仕事を断るためではなく、
お客様の体を守るための判断です。
⑥ プレモの施工哲学
防カビ工事の本質は、「菌を抑止して現象を止めること」です。
この“抑止”には必ず化学的な力が必要になります。
薬剤は敵ではありません。
扱い方と理解が大切なのです。
“菌を止めずに現象を止めようとする施工は、必ず破綻します。”
プレモはこの理念をすべての現場に貫いています。
そのため、「止められない現象」には手を出さないことも、職業倫理の一部と考えています。
⑦ まとめ:施工を断るのは「守るため」
防カビ工事を断ることは、逃げではありません。
むしろ、お客様の健康を守るための正しい判断です。
「止められないものを止めるとは言わない。」
「守れない施工は行わない。」
この2つが、プレモの防カビ哲学の根幹です。
化学物質過敏症の方や類似する皮膚や気道過敏症の方のお住まいでは、
“安全に止める”という防カビの目的そのものが成立しません。
一番困るのは、ご家族で化学物質過敏症、
もしくは類似する体質を
お持ちの方が使用していないお部屋の防カビ工事になるでしょう。
家族は防カビ工事をやりたいが、それができない状況は困ります。
お客様と相談しつつ検討しますが、化学物質過敏症もしくは
類似する体質の方には無理を言うことになりますので、
プレモは施工を行わない方向になるでしょう。
それが、誠実な防カビ工事専門業者としての責任だと考えています。
ぜひ、ご理解ください。
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有限会社プレモ
〒362-0062
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