黒カビが目立つ壁紙をそのままにしていませんか? ― コンクリート直張り壁紙で起きている、見た目以上の問題 ―
2026/02/17
黒カビが出ていても、すぐに相談されない理由
壁紙に黒カビが目立っていても、
すぐに工事や専門相談につながるケースは意外と多くありません。
・とりあえず拭いて様子を見る
・壁紙を替えれば何とかなる気がする
・どこに相談すればいいのか分からない
こうして「様子見」が続き、
気づいたら毎年同じ場所に黒カビが出ている、
という状況になっているお部屋をよく見かけます。
黒カビの原因は、壁紙ではなくコンクリート下地にあることが多い
現在流通している壁紙は、
基本的に防カビ仕様になっています。
それでも黒カビが出る場合、
問題は壁紙そのものではなく、
コンクリート下地側で起きている湿気環境にあることが多いのです。
特に、
コンクリート直張り壁紙(モルタル下地)では、
・外気温との差
・断熱欠損
・通気の悪さ
が重なり、
壁の内部で湿気が滞留しやすくなります。
📷写真は、壁紙表面に繁殖している黒カビです。
下地の多くは“コンクリート”でした。
家具を置きっ放しにしたり、寒がりで暖房器具を使い続けると
このような部屋になることがあります。
結露の前に起きている「吸着水」という状態
結露というと、
水滴がポタポタ垂れる状態をイメージされがちですが、
実際にはその前段階があります。
それが 「吸着水」 です。
これは、
壁表面がしっとり湿り気を帯びている状態で、
見た目には濡れていなくても、
カビにとっては十分な水分環境になっています。
この吸着水が続くことで、
壁紙表面に黒カビが現れます。
壁紙張替え防カビ工事では、結露は止まらない
コンクリート直張り壁紙の場合、
壁紙張替え防カビ工事だけでは、結露そのものは止まりません。
防カビ工事は、
あくまでも「カビの抑止」であって、
結露対策ではないからです。
結露や吸着水が続く環境では、
防カビ剤は徐々に流され、
効果は削られていきます。
現場経験上、
二冬を越えたあたりで再発相談が増えやすい
というのが実際のところです。
※ 住み方・湿度管理・換気状況によって差はあります。
目に見えないから「無い」わけではありません
内装工事の現場では、
下地のコンクリートを見て
「カビがなくて良かったですね」
と言われることがあります。
しかし、これは
カビ=目に見えるもの
という前提での話です。
実際には、
カビは元々目に見えません。
目に見える状態になるのは、
胞子が大量に集まり、
いわば固まった結果です。
例えるなら、
500円玉ほどの範囲に、
数億~数十億単位のカビ胞子が存在している
ような状態になって、
初めて「黒カビ」として認識されます。
つまり、
目に見えない
= カビが無い
ではありません。
コンクリート下地には、
表面に黒カビが見えなくても、
胞子や菌が潜んでいます。
だからこそ、
防カビ工事による「菌の抑止」は必須になります。
そして、
吸着水や結露といった
水分供給が続く環境では、
防カビ工事を行っても
再発を繰り返す結果になりやすくなります。
📷写真は、前述の壁紙を剥がし、防カビ工事後になります。
壁紙表面には黒カビが広範囲に見られましたが、
下地のコンクリートには、
目立ったカビの発生は確認できませんでした。
このようなケースでも、
壁の内部では
「湿り気〜結露」が繰り返されていることが多く、
壁紙を替えるだけでは再発につながりやすくなります。
住み方の工夫でうまくいく人、そうでない人
壁紙張替え防カビ工事が
うまく機能するかどうかは、
住み方によって二択に分かれます。
うまくいくケース
・換気や除湿を継続できる
・加湿や室内干しを抑えられる
・生活習慣を調整できる
うまくいかないケース
・生活リズム的に対策が続かない
・結露がどうしても発生する
・住み方を変えられない
技術の差ではなく、
生活条件の差で結果が分かれてしまいます。
部屋を狭くせず、結露を抑止するという考え方
部屋を狭くせず、
結露を抑止する方法として考えた結果、
行き着いたのが防カビ結露対策工事でした。
断熱工事のように厚みを取らず、
コンクリート下地で起きている
「湿り気〜結露」を抑える。
その結果、
防カビ剤が流されにくい環境ができ、
相乗効果が生まれます。
📷写真は、大きな腰窓下のコンクリート下地に対して
行った防カビ結露対策工事です。
現場の話として
先日、現場に入っている大工と話していて、
「防カビ結露対策工事を行って何年になりますか?」
お客様から「結露がまた出た」という相談は
ありませんか?と聞いて来ました。
私は、「正直、聞いていません。」と答えました。
もう4年目になりますが、
少なくとも現場に戻る理由になるような
結露の再発相談は出ていない、
という話です。
※ 効果を保証するものではなく、現場での傾向です
保証があるから安心なのではありません
保証が付くから安心なのではありません。
個別のお部屋の状況が改善されれば、
保証は付け足しにしかなりません。
要は、
結露とカビが止まり続ければ良い
それだけだと考えています。
まとめ
カビを止めるには、まず結露から。
コンクリート直張り壁紙で起きている黒カビは、
壁紙の問題ではなく、
下地と湿気環境の問題です。
見た目だけを直すのではなく、
なぜ起きているのかを知ることが、
遠回りのようで一番の近道になります。
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