【埼玉県さいたま市】腐朽菌は建物の骨を食べる菌|防カビ工事は建物の予防接種
2025/10/22
お詫びと訂正
この度、弊社の過去のブログやコラムにおいて、木材の腐朽に関する菌類の説明に一部誤りがありました。
専門業者として、ここに深くお詫びし、内容を訂正させていただきます。
過去、木材を分解する「腐朽菌」を「細菌(バクテリア)」と誤って記載しておりましたが、正しくは腐朽菌はカビと同じ「真菌(しんきん)」の仲間です。
この訂正は、単なる学術的な修正ではなく、お客様の大切な住まいを守るうえで非常に重要な知識になります。(ブログやコラムでこの文言を見つけ次第訂正させていただきます)
なぜなら、カビと腐朽菌は同じ真菌でありながら、「役割」が全く違うからです。
腐朽菌とは何か
腐朽菌は、木材の主成分であるセルロースやリグニンを分解してしまう菌。
一言で言えば、「建物の骨を食べる菌」です。
腐朽菌は木材の中に潜んでいる真菌です。(水分含有量が高くなると腐朽菌が活動し始めます)
※大引き・根太・土台にはご注意ください。
プレモが行う防カビ工事は、室内や床下のカビは空気中に浮遊し、着落することで根を張り、主に家の表面を汚す真菌(見た目や健康・衛生面の敵)です。
違いが分かりますでしょうか?
腐朽菌は家の骨格を食い散らす真菌です。(建物の寿命の敵)
プレモの防カビ工事は、この「表面を汚すカビ」だけでなく、「構造を破壊する腐朽菌」の菌糸に対しても有効に作用し、お客様の家を内側から守ります。
さて、木材中に潜んでいる腐朽菌には代表的なものに、白色腐朽菌・褐色腐朽菌があります。
見た目は綿のようだったり、時にキノコのように見えることもあります。
この段階になると、木材内部はスカスカに劣化しており、力を加えるだけでボロボロと崩れてしまうほどです。
つまり、腐朽菌はカビよりも深く・静かに・確実に建物を破壊していく菌であることを知っていただければと思います。
📷写真は、腐朽菌により傷んだ束柱です。木材としての強度はありませんので交換が第一選択になります。
防腐処理をしても腐朽菌が繁殖する理由
1978年(昭和53年)以降、建築業界では「防腐・防蟻処理」が標準化されました。
しかし、それでも腐朽菌の被害が後を絶たないのはなぜでしょうか。
理由は大きく分けて3つあります。
1️⃣ 防腐剤は表面防御型がほとんど
薬剤は表面数mmにしか浸透しません。
木材内部の導管が閉じているため、中心部(心材)まで届かないのです。
※心材とは、木の断面を輪切りにしたとき、中央の濃い色の部分を「心材(しんざい)」、外側の白っぽい部分を「辺材(へんざい)」と呼びます。
・心材(しんざい):木の中心にあり、老成した細胞。
・辺材(へんざい):木の外側で、まだ水分や養分を運んでいた部分。
心材はすでに水の通り道(導管)が閉じ、樹脂・タンニン・油分などが充満しています。
つまり、「生きていた頃の最終防御層」なのです。(例:米栂(ベイツガ)・檜・杉などの赤身材)
2️⃣ 防腐剤は“予防薬”であり“治療薬”ではない
腐朽菌が繁殖した木材には、すでに菌糸が食い込んでおり、防腐剤を塗っても止まりません。
発生後は交換が第一選択となります。
3️⃣ 含水率が高いと薬剤は弾かれる
生木や湿った木材では、水分で導管が飽和しており、薬剤が浸透する余地がありません。
防腐処理をしても、“弾かれて終わる”のです。
埼玉県内それもさいたま市のような政令指定都市などでは、戸建住宅も多くありますので、床下にカビや腐朽菌が繁殖しているお住まいも多いと思います。特に浸水の被害が遭遇しやすい地域は要注意です。
一度床下の定期点検することをおすすめしています。
📷写真は、ひどい腐朽菌の除去作業中です。
土台に穿孔注入していますが、土台奥からの腐朽菌を止めることはできません。
※基礎に土台直に置くのは禁忌です。(コンクリートからの湿気を土台が取り込むからです)
プレモは、床下の木材などに繁殖した土台の腐朽菌対策も行っています。
(穿孔注入は行いません)
腐朽菌はカビの「次のステージ」
カビは木材表面で繁殖しますが、腐朽菌は木の内部で繁殖します。
カビが呼び水となり、木材内部の水分や養分が増えると、そこに腐朽菌が活動を始める――。
この連鎖こそが、「カビ→腐朽菌→構造劣化」の実態です。
つまり、腐朽菌の防止は「カビの段階で止める」ことが最も重要です。
防カビ工事は建物の予防接種
プレモの防カビ工事は、木材や壁材の表面から数mmまで浸透させ、真菌(カビ・腐朽菌)の繁殖条件そのものを断ち切る化学的防御です。
穿孔注入のような構造内部の防腐処理は、シロアリ駆除業者が担う領域ですが、表面からの再感染・結露環境・湿気経路の制御は防カビ専門業者の役割です。
「カビを止めることは、腐朽菌を呼ばせないこと。」
「防カビ工事は、建物の“予防接種”です。」
📷写真は、大引き・根太・土台に発生した腐朽菌の防カビ工事後になります。
腐朽菌除去が一番大変な作業でした。写真にあるように雨に濡れた防腐処理した大引きなどには、防カビ工事を行う必要がありますので、適時床下に潜り確認することをおすすめします。
心材の壁と薬剤浸透の限界
心材(赤身材)は、木の中心にあたる部分で密度が高く、内部の導管が樹脂で塞がれています。
そのため、水溶性の薬剤はほとんど入りません。
乾燥していない新築材(米栂・SPF材など)では、表面の含水率が高く、薬剤が“弾かれて”しまうことも。
つまり、「木の種類・乾燥状態・施工環境」によって、同じ防カビ剤でも効き方がまったく違うということを知っていただければと思います。
おわりに
腐朽菌は建物の骨(木材)を食べる真菌です。
そしてその始まりは、わずかなカビや湿気から始まります。
防カビ工事は単なる美観維持ではなく、カビから建材を守るための延命治療であり、将来の腐朽を防ぐための予防医学的施工です。
木を守るとは、木の呼吸を知ること。
湿気の多い床下は、防カビ工事して木材や合板をカビや腐朽菌から守ることをしなければいけません。
防カビ工事とは、建物の建材や木材合板に行う“予防接種”とお考えください。
👉 プレモ床下防カビ工事は、床下高40㎝以上・床下点検口や床下収納があり45cm角あれば対応可能ですので、お気軽に相談ください。
対応地域は、「施工対応エリア」ページをご覧ください。
----------------------------------------------------------------------
有限会社プレモ
〒362-0062
埼玉県上尾市泉台3-17-28
電話番号 : 048-793-7148(担当:山田)
----------------------------------------------------------------------