石膏ボード交換ではカビは止まらない ― 室内工事は専門家に任せるべき理由
2025/10/04
カビは石膏ボード交換で再発防止可能か?
住まいのリフォームや外壁塗装の際に、ついでのように「室内のカビも直しておきますよ」と言われるケースが増えています。特に外壁塗装専門会社や工務店が「石膏ボードを交換すれば大丈夫です」と提案する場面は珍しくありません。
しかし、実際には 交換しても再発、むしろカビ臭が広がってしまう例が後を絶ちません。今回は、その「落とし穴」について詳しく解説します。
石膏ボード交換=万能解決ではない
石膏ボードの交換は、一見すると「徹底的で安心」に思えるでしょう。しかし実際には以下のような状況では意味を成しません。
・交換した場所以外からカビが再発するケース
壁紙だけを張り替えた部分や、交換していないボードが結露や湿気を吸い、短期間で再びカビが繁殖します。
・部屋全体のカビ原因が取り除かれていないケース
結露や換気不足といった“根本要因”が改善されない限り、いくら新しいボードを入れても同じことの繰り返しです。※石膏ボードや耐水ボードには防カビ効果は一切ありませんので、交換してもカビ発生を遅延させたに過ぎません。(同じことをいつまで繰り返し続けますか?)
・「剥がしただけで放置」が最悪のパターン
カビを剥き出しにして数日〜数週間放置する業者も存在します。その間、部屋中にカビ胞子が飛散し、壁や天井、家財道具にまで汚染が広がることになります。
・間違った「住み方」を教えて、カビ繁殖が拡がるパターン
壁紙下地からカビが発生している夏に、「窓を開けて換気してください」は危険です。カビ繁殖を勢い付けることになります。アドバイスを受けたら、「言っていることが正しいか?」の確認を必ずしましょう。建築会社や工務店、リフォーム会社や職人の言っていることが全て間違っているとは言いませんが、カビについて言えば間違っていることもありますので、ご自身がネットなどで確認するのが良いと思います。
実際の現場から見えた問題
1. 外壁塗装会社が室内に参入
外壁塗装の専門会社が「内装担当もいます」として、石膏ボード交換や壁紙張替えを請け負うケースがあります。しかし実態は外注の内装職人に任せているだけで、カビのメカニズムを理解していない場合がほとんどです。
2. 「交換一択」という極端な発想
彼らの対応は「カビが出ている=ボードを交換」という単純なもの。確かに芯までカビが侵食している場合やボードが崩れている場合は交換が必要ですが、表面処理や防カビ工事で十分に対応できる場面が大半です。
3. 剥がして終わりの無責任対応
最も問題なのは、壁紙を剥がしただけで帰ってしまうケースです。これでは 部屋を丸ごとカビ培養室に変えるようなもの。結果、家族が「カビ臭いけど気づかないまま生活する」という健康被害リスクにつながります。
石膏ボード交換が本当に必要なケースとは?
石膏ボードにカビが発生したからといって、必ずしも交換が必要なわけではありません。
プレモでは「どの部分までカビが侵食しているか」を丁寧に判断し、最適な施工方法を選択しています。
交換が必要なケースは以下の通りです。
・芯である石膏部分にまでカビが繁殖している場合
・裏側の厚紙が著しくカビている場合(ただし通常は目視困難)
・石膏ボードが崩れてぐずぐずになっている場合
・壁紙を剥がした時に石膏ボードごと剥がれてしまう場合
・湿気を含み、触っただけで穴が開きそうな状態の場合
これらに該当しない場合は、防カビ工事で十分対応可能です。
ただし、防カビ工事で結露は止まりませんから、コンクリート直張り壁紙に接している石膏ボードはカビ発生のリスクが高いままになりますので、そのような時はコンクリート下地に結露対策工事を行うようにしましょう。プレモでは、防カビ結露対策工事も行っています。
交換よりも重要な「原因解明」
石膏ボード交換を繰り返してもカビが止まらない理由は明確です。
「石膏ボードに防カビ効果がないから」であり、「根本原因を解決していない」からです。
・24時間換気を止めている
・エアコンの結露水処理が不十分
・真夏の外壁塗装で窓を開けて換気せざるを得なかった
・結露がひどいコンクリート直張り壁紙構造(戸建ではなくマンション・団地に多い)
こうした生活環境や建物構造に対処せずに「交換だけ」で済ませても、また必ずカビが出てきます。
夏は特に、腰下の高さ(H=80㎝以下)に湿った空気が停滞しやすいので、意図的に防カビ工事が終わった後に除湿機などで対応することも必要になるでしょう。
交換が不要なケースも多い
一方で、石膏ボード表面にカビが見えるだけなら、防カビ工事で十分対応できます。カビをしっかり取り除き、殺菌消毒を行い、防カビ剤を施工すればリセット可能です。
とくに埼玉県内のマンションや戸建住宅で多いのが、腰窓やFIX窓周辺、コンクリート直張りの壁。これらは「結露」が主な原因です。結露が止まらない限り、石膏ボードを交換しても再発リスクは消えません。
防カビ工事と結露対策をセットで考える
石膏ボードのカビを抑えるには、防カビ工事だけでは不十分な場合があります。とくに結露が原因なら、防カビ結露対策工事を組み合わせることが効果的です。
・結露対策用シートの活用
・家具配置や住み方の工夫
・室内温度差を抑える工夫
これらを併せて行うことで、カビの再発を防ぎやすくなります。
プレモ防カビ結露対策工事を石膏ボードに行う時は、事前の石膏ボード交換が前提になります。
専門外の会社に任せるリスク
外壁塗装は外壁の専門、室内カビは室内カビ専門。
当たり前のことですが、現場ではこれが混同されています。
「内装もやります」という言葉に安心して任せてしまうと、結果的に 工事代金はかかったのに問題は解決しない という二重の損失を招きます。
埼玉県内においては、さいたま市・川口市・川越市・上尾市などを中心に外壁塗装会社が室内のカビが発生している壁紙の張替えまで行う事例がありますが、カビは専門業者に任せたほうが間違いありません。初期対応を間違えないようにしましょう。ついでで解決する問題ではありません。
カビ臭による健康被害を軽視しないで
内装職人の壁紙張替え後、カビ臭が発生して健康被害を感じている方が増えています。
石膏ボードなどに発生するカビやカビ臭を軽視してはいけません。
・カビやカビ臭が与える健康の影響とは
スタキボトリス(黒カビ)というカビをご存じでしょうか?
このカビも見た目は「黒カビ」ですが、一般的なクロカビやススカビとは異なり、特定の環境で発生し、強力なカビ毒(マイコトキシン)を産生する非常に危険な種類です。
結露や湿気が停滞する場所などに見られるカビの一種なのですが、慢性的な咳や頭痛・めまい・疲労感などがあり、ブレインフォグ(思考力の低下、集中力欠如、記憶障害)を発生させる原因とも言われています。このスタキボトリスというカビが怖いのは、強力なカビ毒を産生させるからです。咳が止まらないなどの症状が見られたら、呼吸器専門医に受診されることをおすすめします。
皆さんもお住いの黒カビにはご注意ください。
このようなカビが、寝室や子供部屋の石膏ボードに発生したら?どうされますか?
石膏ボード交換だけで済みますか?
・カビやカビ臭が体に与える影響(夏型過敏性肺炎など)
カビが原因と言われる怖い病気に「夏型過敏性肺臓炎」があります。
トリコスポロンというカビが原因して発生しますが、夏に症状が悪化するのが特徴です。咳、発熱、倦怠感などが主な症状で、風邪と間違われやすいことがあります。気づくのが遅れると肺が線維化し自発呼吸が出来なくなり小型酸素ボンベを使用し続けることになりますし、状態が悪化すると死に至る恐ろしい病気です。気温が高くなり自宅にいると呼吸が苦しい・咳が出る!などの症状が出るが旅行や友人の家に行くとそのような症状が止まる!と言うようなことを繰り返している時はぜひ早めの呼吸器専門医に受診されることをおすすめします。
・赤ちゃんや高齢者は特にリスクが高い
カビやカビ臭は、免疫力が高い健常者は影響を受け難いと言われています。ですが、今の世の中ストレス社会でもありますので、日々ストレスと抱えている人・長期間抗生物質などを服用されている人、赤ちゃんから小学生低学年や高齢者などは、カビやカビ臭に対する影響を受けやすいので、住まいのカビ対策・結露対策を万全にすることが必要であるとプレモは考えております。
カビは真菌と言う微生物です。石膏ボード交換をしただけでカビの繁殖が止まると言うことはありません。何より、今の建材は昔と違いホルムアルデヒドが無い建材ばかりですので、カビに無防備であり、ノーガード状態でカビに対するのは危険そのものです。
カビが発生している壁紙が絡む壁紙張替えを皆さんが検討しようとしている時、「石膏ボード交換」をすすめるような工事業者であれば、再考するようにしましょう。
カビにはカビ専用の防カビ工事で徹底的に対策しましょう。※防カビ工事は薬ではありませんが、建物側に発生するカビやカビ臭を発生しにくくさせることで、住環境を改善する工事です。リフォーム工事とは一線を画していますので、お間違えないように願います。
プレモのスタンス
プレモは、安易な石膏ボード交換ではなく、状況を見た上で判断しています。
プレモの基本工事としては、
・カビ取り作業
次亜塩素酸ナトリウムを筆頭に複数種類の薬剤を使用し、主に漂白効果を中心に対応します。
・殺菌消毒作業
殺菌効果の強い薬剤を複数種類使用し、できる限りカビを死滅させる効果を中心に対応します。
・防カビ施工
人体に安全性の高い非流出性の複合抗菌剤による抗菌コーティングです。建物内外に頻発する57種類のカビ及び200菌以上を抑止する薬剤を、建材に浸透させ効果を維持します。(持続効果は施工した建材の状況次第です。結露して濡れ続けるような建材の場合は別途結露対策工事が必要になります)
・必要に応じた結露対策
マンションや団地などのRC造集合住宅などでは、コンクリート直張り壁紙などが目立つお住まいがあります。戸建住宅でも石膏ボードでもこの壁がどうしても冬には濡れる!と言う場所には、防カビ工事だけでは結露により防カビ剤が流出してしまう可能性がありますので、別途結露対策工事を行う必要があります。プレモでは防カビ結露対策工事と称し、2022年9月より対応しております。
という手順を踏むことで、 「カビやカビ臭を再発させない室内環境づくり」 を重視しています。
それは単なる内装リフォームではなく、健康被害を未然に防ぐための専門工事です。
まとめ:間違えない選択を
石膏ボードにカビが出たからといって、安易に「全部交換」するのは避けるべきです。
石膏ボード交換は、「最後の手段」であり、見極める眼が必要になります。
・交換が必要なのは石膏そのものがダメになっている場合だけ。
・カビと言う微生物に対抗するには防カビ工事が優れています。
・カビ発生原因の結露まで検討するなら、結露対策工事を行いましょう。(この場合は石膏ボード交換必須)
・結露を抑えなければカビは止まらない。(防カビ工事で結露は止まりません)
カビやカビ臭は家財をカビ臭くさせるだけではなく、住まいにカビやカビ臭を定着させ、住んでいる皆さんの健康を害させる原因であることを考え、住み方の工夫・カビ対策、カビを繁殖させる結露対策まで考えないといけない状況のお住まいもあります。
初期対応を間違えないでください。安易なリフォーム工事や壁紙張替えでカビやカビ臭対策ができるとは思わないほうが良いでしょう。二回三回と工事を繰り返すなら、専門業者に相談されたほうが間違いない状況も少なくありません。
埼玉県内で石膏ボードの交換、カビやカビ臭の判断に迷ったら、防カビ工事専門のプレモにご相談ください。
👉 壁紙や石膏ボードのカビでお困りの時は、「壁紙のカビ・壁紙下地のカビ」ページをご覧ください。
👉 対応地域を知りたい方は、「施工対応エリア」ページをご覧ください。
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有限会社プレモ
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