【埼玉のマンションでも発生】天井直張りと大きな梁がつくる冬の結露カビ【前編】
2025/11/23
■ 天井の黒カビは「突然」ではなく、“構造が作る必然”
冬になると、天井の黒カビ・天井の濡れのご相談が急増します。
特に コンクリート直張り天井と大きな梁(大梁) があるマンションでは、
「なぜここだけ黒くなるのか?」という現象が毎年のように発生します。
埼玉県では梁が小さい物件が多いのですが、
都内・横浜市・川崎市のマンションでは
天井を横断する“大梁”が空気の流れを完全に止める構造 が多く、
冬の結露カビが非常に起きやすくなります。
📷写真は、横浜市中区(遠方特別エリア)の分譲マンション天井の黒カビ。
壁紙がコンクリート直張りで結露水で黒カビが大量発生したので、お客様自ら剥がしたそうです。
ただし、剥がす際にカビ胞子が大量に飛散しますので、服装には十分注意しないといけませんし、浮遊するカビ胞子対策もしなければいけません。カビは現象ではなく「真菌と言う微生物」であることを忘れてはいけません。
■ 大きな梁は“空気の壁”になる
暖房をつけている室内でも、天井の上部には冷気が溜まります。
そこに 大きな梁が横断していると、梁の上下で空気が動かなくなります。
・梁より上:冷気が溜まり続ける
・梁より下:空気が滞留して“冷えの帯”ができる
・梁の角:最も温度差が生まれる結露スポット
この 空気だまり(デッドスペース)の冷却帯 が、
天井直張りの弱点と重なることで、
カビの温床が完成してしまいます。
■ 直張り天井の「1〜2mmの空気層」がすべてを決める
ここが今回のブログの“核心”です。
天井の壁紙(クロス)は、
コンクリートに薄い下地材を介して直接貼られています。
この裏側には わずか0.1mmほどの空気層 があります。
この 0.1mmの世界で起きる現象こそが、
“ミクロン単位の結露” です。
● ミクロン結露とは?
・水滴として目に見える前の段階
・霧状の湿気が壁紙裏で“膜”になる
・肉眼では分からない
・触っても分からない
・でも カビにとっては理想的な水分量
つまり、
表面に水滴が見える頃には、カビの環境はすでに完成している
ということです。
この「ミクロンの湿り」を冬の間ずっと繰り返すと——
✔ 壁紙裏のモルタル面に点状カビ
✔ 壁紙の浮き・変色
✔ 梁の角だけ黒くなる
✔ 天井が段々とムラ状に黒ずむ
すべてが“説明のつく現象”になります。
■ 温度差 × 空気だまり × ミクロン結露 = 黒カビ
今回ご紹介している横浜市中区の現場は、
まさにこの複合要因がそろった典型例でした。
・大きな梁で空気が止まる
・天井直張りで裏側が冷える
・夜間にミクロン結露が続く
・カビが点から面へ広がる
・冬ごとに症状が悪化する
“結露を止めなければ、カビは止まらない”
というプレモの基本哲学そのものの現場です。
📷写真は、天井付近の空気を滞留させる原因となる“大きな梁”です。
この梁がコンクリート直張り壁紙だと余計に天井が冷えるので、冬天井結露が止まらなくなります。
このような造りのマンションは意外と多いので気になります。
■ 埼玉でも起きるが、都内・横浜では“発生率が段違い”
埼玉県のマンションは大梁が小さく、
天井が比較的フラットな構造が多いのですが、
東京23区・横浜市・川崎市の物件は、
・スパン確保のため高い天井
・梁が太い
・直張り構造が多い
・冬の外気がダイレクトに伝わる
という特徴があります。
したがって、天井のミクロン結露 → 黒カビの発生率が圧倒的に高い。
今回の前編で紹介している横浜市中区の天井も、
この“都市部特有の構造”が原因でした。
■ 遠方施工にも対応することは可能です。
プレモが依頼している内装職人と連携できる場合に限り、
埼玉県上尾市から見れば、横浜市中区のような遠方にも出向くことがあります。
マンションや団地の天壁のコンクリート直張り壁紙結露水と
黒カビでお困りの時は相談ください。
下見はどうしても必須になりますのでご理解ください。
■ 後編は「天井断熱材が剥がれた練馬区(2019年)」
明日の後編では、
天井裏の断熱材が垂れ下がり、
外壁側全面が黒カビになっていた
練馬区の賃貸マンション(2019年) を紹介します。
ミクロン結露が積み重なるとどうなるのか、
“直張り天井の終着点” が分かる内容です。
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有限会社プレモ
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