【さいたま市】20℃以下の温度設定で発生したカビ被害|壁掛けエアコン裏の結露と防カビ工事
2025/10/17
第1章:前回の続きとして
先月のブログでは、壁掛けエアコンの冷媒管まわりで発生する「壁内結露」についてお話ししました。
冷房運転時の温度差が大きいほど、壁の中で結露が生まれやすくなる――そんな一般論をお伝えしました。
今回はその“実際の現場”をもとに、どうして壁の中にカビが発生したのかを、さいたま市内の戸建住宅を例にご紹介します。
結露は、目に見えないところで確実に家を傷めていきます。
第2章:きっかけは「カビ臭さ」でした
お客様から「エアコンをつけるとカビ臭い」とのご相談をいただき、
まずはエアコン内部の送風ファンやフィルターを確認しました。
しかし、内部に目立ったカビはなく、匂いの発生源が特定できません。
そこで、念のためエアコン下の壁面を触診したところ、部分的に“しっとり”とした感触があり、
一部を開口して内部を確認したところ――断熱材の奥にある外壁側の合板が湿り、
黒カビと白カビが混在していました。
外壁との温度差で発生した結露が、時間をかけて合板に吸い込まれたと考えられます。
上記はイラストです。実際に発生した壁内外壁側合板のカビを描きました。
断熱材を撤去したら、合板カビが発生していた!という事例は沢山あるはずです。
この暑く長い夏を過ごすために、20℃以下の低温度設定をし続けた方のお住まいは要注意です。
第3章:20℃以下の温度設定で発生したカビ被害
お客様は、夏の間ほとんどの時間を20℃設定で冷房運転されていたそうです。
この“快適さを優先した低温設定”が、壁内の冷媒管を極端に冷やし、
その周囲の空気中の水分を結露させてしまっていました。
結露水は断熱材の中を伝い、やがて合板面に滞留。
日中は乾きにくく、夜間の冷気でさらに結露が進む悪循環が生まれていたのです。
また、エアコン本体の経年劣化も見逃せません。
機種が古くなると、送風口から結露水(よだれ)を垂れ流すことがあります。
この場合、内部の熱交換器が効かなくなっているか、冷媒ガスが抜けている可能性があります。
エアコン本体もそうですし、室外機のガス抜けもご注意ください。
設定温度で稼働しても冷えないときは、交換時期のサインと考えたほうが良いでしょう。
第4章:防カビ工事での対応
防カビ工事では、湿気を吸っていた断熱材をすべて撤去し、
合板表面のカビをカビ取り → 殺菌消毒 → 防カビ施工の3工程で処理しました。
その後、壁内の乾燥を確認し、新しい断熱材を設置。
見た目は元通りでも、内部では“再発を防ぐための下地づくり”が進んでいます。
施工後の空気は明らかに変わり、カビ臭も消えました。
ただし、再発防止には「設定温度の見直し」が欠かせません。
エアコンを使うときは、室内と外気の温度差を5〜7℃以内に抑えるのが理想です。
第5章:皆さんの家ではどうですか?
この現場のように、壁内で結露が起きても、外からは何も見えません。
でも、カビ臭さや壁のふくらみといった“微妙なサイン”が出ている家は意外と多いです。
今の時期こそ、エアコンの設定温度を一度見直してみてください。
「皆さんの家(特に戸建)のエアコン設定温度は何度ですか?」
その一行が、カビを止める最初のきっかけになります。
第6章:まとめ
防カビ工事は、壁の表面をきれいにするための工事ではありません。
見えない部分に再び湿気を閉じ込めないための工事です。
結露を止めなければ、カビは止まりません。
そして“住み方”を整えることが、最も確実な防カビ対策です。
さいたま市での今回の工事を通して、改めてそう感じました。
快適な空気の裏に潜む“壁の中の現実”を、これからも伝えていきたいと思います。
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