有限会社プレモ

間違いやすい湿気対策 ― 正しい理解と根本対策とは

間違いやすい湿気対策 ― 正しい理解と根本対策とは

間違いやすい湿気対策 ― 正しい理解と根本対策とは

2025/09/01

➊ 窓を開ければ換気できる?

「窓を開ければ換気できる」と今でも言う大家さんや不動産会社担当者は少なくありません。
しかし現実には、防犯上・プライバシーの問題で窓を開けられない住まいも多く、現代の住宅環境に合った方法ではありません。

窓を両サイド5~6cm程度開け、カーテンを真ん中に寄せれば空気は外壁側の二隅まで流れます。
ただし家具が壁にピッタリ付いていると風は通りません。家具を5~6cm離すだけでも風が抜けるので、結露抑止には効果があります。

ただし、窓を閉めるとまた湿度は上昇し、結露は再発します。
内窓を設置しても、結露が止まらないお部屋を見て来ましたので、強いおすすめはしておりません。
※コンクリート直張り壁紙に結露が大量発生することがありますので、内窓設置する時は、結露対策を行ってから設置しましょう。

賃貸マンションの窓とアルミサッシの結露。段差も乗り越える結露に入居者も茫然でした。


❷ エアコンで冷やせば湿気は消える?

「エアコンで冷やせば湿気はなくなる」と思われがちですが、これは夏型結露の大きな原因になります。
必要以上に冷やすことで、断熱効果の弱い部分(壁内・天井裏のコンクリート躯体や断熱不足部分)に結露が発生し、結果としてカビの温床を作ります。

特にマンションでは、天井や壁内のコンクリート部分に結露が集中しやすく、黒カビやカビ臭の原因になります。
「夏の冷やしすぎ=カビを育てる行為」と覚えてください。

ペットのために常時室温を18℃設定した結果、天井壁紙・石膏ボード下地カビが発生。


❸ 珪藻土を塗れば湿気は吸収する?

自然素材として人気のある珪藻土ですが、湿気対策としては誤解が多い素材です。
確かに湿気を吸収しますが、過剰に取り込むと吐き出せずに 壁全体が“保湿剤化”してしまう のです。
結果として内部でカビが繁殖し、室内はカビ臭さで健康被害を招きます。

特に コンクリート下地に直塗りする方法は絶対に避けるべき です。塗り厚は2mm未満で、部屋全体の湿気や結露には対抗できず、やがて黒カビだらけになります。
壁紙の上に塗るのも危険で、細かいカビが大量発生する事例もあります。

「壁紙が嫌いだから」という理由で選ぶ方もいますが、これは誤った選択です。

柔らかい珪藻土に細かいカビが発生。部屋に居るのが辛くなるほどのカビ臭を放っていました。


❹ 珪藻土パネルは大丈夫?

一見施工が簡単そうな珪藻土パネルも、問題を抱えています。
パネルの合わせ目から結露水が噴き出すことがあり、表面自体もカビます。

さらに問題はその裏側。
石膏ボードに直接貼った場合は剥がせず、壁全体を解体するしかありません。
コンクリートに貼った場合も剥がすのは非常に困難で、アフターメンテナンスを考えると現実的ではありません。

珪藻土パネルに発生したカビ。コンクリートに貼ると珪藻土パネルもカビます。


❺ スタイロフォーム系断熱材を貼れば結露は止まる?

「スタイロフォーム系断熱材を内側に貼れば湿気や結露は止まる」――これは大きな誤解です。
確かに吸水性は低く表面はサラッとしますが、その裏側には湿気が閉じ込められ、壁紙や断熱材の裏側で結露 が発生します。

さらに発生した結露水は 壁際から滴り落ち、壁紙や巾木周辺にカビを繁殖させる原因 となります。
一見湿気対策に見えて、実はカビを呼び込む施工方法なのです。

天井に結露対策としてスタイロフォーム系断熱材を貼った結果のカビ。結露は壁際から発生しカビ繁殖に。


❻ 正しい湿気対策=「結露コントロール」

湿気や結露を完全にゼロにするのは難しいですが、大幅に減少させる方法はあります。
それがプレモの提唱する 「住み方の工夫=結露コントロール」 です。

実際に取り組んだ80代・70代・40代のお客様から、アルミサッシや窓ガラス、玄関ドア枠・玄関ドアの結露が止まったと報告をいただいています。
状況次第ではありますが、正しい工夫を行えば結露を抑えられるのです。

ただし、共働きで実行が難しい世帯や、取り組む意識が低い場合は効果が出にくいのも現実です。
そのため、プレモでは直接的に結露を抑止する 「防カビ結露対策工事」 をご提案しています。

ガスファンヒーター利用もあり結露拡大

住み方の工夫を実践していただき、あっという間に結露が止まりました。ガスファンヒーターは変わらず使用し続けています。

レースのカーテンも直ぐにカビる窓結露

レースのカーテンにカビが発生するのは困りもの。
窓ガラスとアルミサッシ結露が止まれば、こまめな洗濯回数も減ります。


❼ 防カビ結露対策工事が必要な理由

この工事の対象は、基本的に コンクリート直張り壁紙 です。
石膏ボードの場合は、既存のボードを交換した上で防カビ結露対策工事を行う必要があり、費用が高額になるケースもあります。

なぜ石膏ボード交換が必要か?

・壁紙の裏打ち紙が湿気で弱り、接着剤の効果が落ちる。

・壁紙の厚紙が剥がれると、石膏ボード自体が脆くなる。

という理由からです。

このため、石膏ボードを残したまま工事しても効果が長続きせず、再発リスクが高くなります。
著しく傷んだ(グレーの厚紙や芯の石膏が見えるような状態)では、石膏ボード交換 ➝ 防カビ結露対策工事 という手順が、唯一の正しい方法です。

結露が止まらない天井

結露が止まらない天井コンクリート直張り壁紙。

結露を止める防カビ結露対策工事

防カビ結露対策工事で結露抑止


まとめ:結露に負けないために

湿気対策は「窓を開ける」「冷やす」「塗る」「貼る」といった簡単な方法で解決できるものではありません。
誤った施工や安易な工夫は、かえってカビの温床を作り出します。

プレモは、結露を抑える「住み方の工夫=結露コントロール」と、根本解決につながる「防カビ結露対策工事」の両輪で、住まいと健康を守り続けています。



----------------------------------------------------------------------

有限会社プレモ
〒362-0062
埼玉県上尾市泉台3-17-28
電話番号 : 048-793-7148(担当:山田)


----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。