乾燥させればカビは死滅するか?|埼玉の除菌消臭・防カビ工事専門プレモ
2025/08/26
はじめに ― 誤解されがちな「乾燥神話」
埼玉県上尾市の大家さんと個人様専門の除菌消臭・防カビ工事専門会社プレモです。
建築会社や不動産会社の担当者、さらには大家さんの中にも「カビは乾燥させれば死滅する」と信じている人が少なくありません。
雨で濡れた合板もコンクリートでさえも「乾けば大丈夫」と言い切るケースを数多く見てきました。
しかし、これは大きな誤解です。カビは乾燥したからといって死滅するわけではなく、むしろ一時的に活動を休止するだけ。条件が揃えば、再び繁殖を始めます。
カビが生き残る条件
カビは「空気」「温度」「湿度」「栄養素」「pH」という条件が揃えば、どこにでも繁殖します。
ご存じの方、ご存じない方もおられると思いますので今一度復習のために知っていただければと思います。
・空気:常に胞子が飛散。空気が滞留する押入れや家具裏が危険地帯。
・温度:20℃以上で黄色信号、25℃以上は赤信号。
・湿度:60%で注意、70%以上で赤信号、80%を超えると一気に繁殖。
・栄養素:木材・合板・クロス糊・ホコリなど、ほぼ全てが栄養源。
・pH:強アルカリの建材(打設直後のコンクリート等)はカビに強いが、酸性化すれば繁殖が始まる。
つまり「乾燥させる」だけでは、これらの条件が消えるわけではなく、カビのリスクは残り続けます。
好乾性カビの存在
特に注意すべきは「好乾性カビ」と呼ばれる種類です。乾燥環境でも胞子は死なず、繁殖スピードが落ちるだけ。湿気が戻れば再び増殖します。
つまり乾燥で死滅するどころか、「休んでいるだけ」なのです。
【さらに解説】
カビの中には、乾燥に強い種類が存在します。これを「好乾性カビ」と呼びます。
一般的なカビは相対湿度70%以上で活発に繁殖しますが、好乾性カビは60%前後でも生き延びます。乾燥すると胞子は死滅せず、休眠状態に入り、湿度が戻るとすぐに活動を再開します。
※相対湿度とは、空気の水蒸気含有量を表す尺度です。
お部屋の湿度が30%を切るとインフルエンザなどのウィルス感染の心配をしなければいけなくなりますし、70%以上になるとカビの繁殖を心配しなければいけなくなります。
『代表的なカビの種類』
家庭や建築現場でよく確認されるのはカビは以下の通りです。
クロカビ(Cladosporium):壁紙や押入れ、窓枠に多い。アレルギー・喘息の原因に。
アオカビ(Penicillium):食品や湿った木材に多く発生。独特のカビ臭の元。
コウジカビ(Aspergillus):天井裏・床下・エアコン内部などで繁殖。人体に悪影響を及ぼす種類も存在。
ススカビ(Alternaria):浴室やサッシに多い。湿度の高い環境で黒っぽく繁殖。
これらは「乾けば死ぬ」どころか、乾燥をしのいで生き延び、条件が整えばすぐに活動を再開します。
好乾性カビの代表例(学名ベース)
Aspergillus restrictus(アスペルギルス・レストリクタス)
乾燥環境でもよく見られる好乾性アスペルギルス。紙や繊維製品に発生。
Aspergillus penicillioides(アスペルギルス・ペニシリオイデス)
低湿度環境に特化したカビ。家庭内のホコリや食品にも見られる。
Wallemia sebi(ワレミア・セビ)
極端に乾燥した環境でも生育可能。食品汚染や室内環境で報告例あり。
👉 これらは典型的な「好乾性カビ」で、相対湿度60%程度でも繁殖可能とされています。
【補足】
好乾性カビといっても、30%の湿度で繁殖を続けるわけではありません。
乾燥すると活動は止まりますが胞子は死なず、湿度が戻るとすぐに再開します。
つまり「乾燥で死滅する」という考え方が誤りで、乾燥では“待機”しているだけなのです。
乾燥するとカビは死滅する!と言い張る建築会社や不動産会社担当者がおられるので、解説を深掘りして書きました。
必死に乾燥させる危険性
建築会社がよく行うのが「送風機や乾燥機で強制乾燥」。
雨に濡れた建築中住宅で良く見る光景ですが、カビが発生していなくても無理に乾燥させ続けようとすると問題が発生します。
胞子飛散 ― 強風でカビ胞子が舞い上がり、家全体に広がる
建材の劣化 ― 木材の割れ、合板の剥離、断熱材の劣化
さらに、必要以上に乾燥させると 木材や建材が割れたり収縮したりするリスクも高まります。
「乾燥=安全」どころか、建物そのものを弱らせてしまう可能性すらあるのです。
👉 つまり「乾燥させれば大丈夫」という言葉は、建築会社や不動産会社の都合の良い言い訳にすぎず、実際の現場では何の解決策にもなりません。
📷写真は、乾燥したことで剥離した構造用合板です。
こんな状態でも使い続けようとするのはいささか疑問に思えてなりません。
そしてもう一つ、実際の住環境で相対湿度40%を安定してキープするのは極めて難しいという現実もあります。冬の乾燥期なら一時的に達成できますが、局所的に結露する場所があります。夏や梅雨に40%を保つのはほぼ不可能。さらに30%を切るようになると、人やペットの健康にも悪影響を与えます(喉や皮膚の乾燥、インフルエンザなどウイルス感染リスク増加)。
くれぐれもやり過ぎにはご注意ください。
一度濡れた建材は危険
今の住宅に多用されるF★★★★建材は、人体に優しい一方でカビに繁殖しやすい環境です。
元々シックハウス症候群で建材や糊などに含まれているホルムアルデヒドやトルエン・キシレンなどの有害物質を除去して使える建材にしたのがF★★★★なのですが、問題もあります。
それは、一度結露や漏水などで濡れてしまうとカビが繁殖するリスクが高くなることです。
建築中住宅で言えば、木材や合板です。集成材も含みます。
一度でも雨や漏水で濡れてしまえば、内部に湿気が残り、見えない部分でカビが根を張ります。乾燥でごまかしても再発リスクは消えません。
さらに注意したいのは水浸しになったコンクリートです。
打設直後のコンクリートは強アルカリ性でカビに強いのですが、水浸しが続くと酸性化が進み、一気にカビが繁殖します。
特にベタ基礎は水を取り込みやすく、床下の湿気を長期間ため込み、夏場には湿度90%近くになるケースもあります。水浸しになったコンクリートスラブなどからの取り込まれた水分は簡単に放出してくれません。
まとめ ― あなたならどうしますか?
乾燥でカビは死滅しません。好乾性カビは生き残り、湿度や温度条件が整えば再び繁殖します。さらに過度な乾燥は建材を傷め、寿命を縮めます。
「乾燥させれば大丈夫」と思い込むのは、家を守るどころか危険を招く行為です。
あなたならどうしますか?
乾燥に任せるのか、それとも防カビ工事で根本から解決するのか。
埼玉の除菌消臭・防カビ工事専門プレモは、大家さん・個人様の住まいを守るために、カビ取り → 殺菌消毒 → 防カビ施工 という正しい流れで工事を行っています。
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