東京都中野区|コンクリート直張り壁紙の裏が冷たくなる理由と、結露カビを止める方法
2025/11/17
■ 結露しカビが繁殖する壁で困る
冬になると、
「毎年同じところにだけ黒カビが出てしまう」
というご相談をよくいただきます。
今回の中野区のお部屋もその一つで、
コンクリート直張り壁紙の裏側に結露が発生し、黒カビが広がっている状態でした。
壁紙の表に黒カビが見えてしまった時点で、
実は裏側ではもっと進行しているケースが多く、
特に“直張りタイプ”のマンションでは注意が必要です。
■ 1. Before|壁紙の裏が濡れ続ける「コンクリート直張り壁紙」
東京都中野区(特例エリア)のお部屋では、梁の下や外壁側の凹んだ部分に黒カビが広がっており、
表面まで変色が出ていました。
ベッドを置いたのか?本棚や家具を置いたのかは分かりません。
ですが何かしら空気の動きを止めてしまう家具を置き続けたのは間違いありません。
しかし、この段階で見えている黒カビはあくまで“最後のサイン”です。
実際には、壁紙の裏側に結露が毎日のように発生していた と考えるのが妥当です。
📷写真は、工事前(黒カビが広がった状態)です。
お客様自らカビがひどい壁紙を剥がし、浴室用カビ取り剤で大量噴霧したそうです。
塩素の痕跡がクッキリ残っているのが分かります。
ご自身でカビ取りしてみることを止めることはできませんが、
4つを考えた行動をしなければいけません。
①換気や床などの養生をしっかり行いましょう。
②服装や防毒マスク・ゴーグルの装備やバケツ・ドライヤーなどを用意。
③カビ取りのやり方を間違えないこと。(塩素が残留しますので)
④カビ胞子が大量飛散する意味を知る。(体内に取り込み過ぎないように)
安易なカビ取りは危険です。
くれぐれもご注意ください。
■ 2. コンクリート直張り壁紙は、裏側が冷たくなりやすい構造
コンクリート直張り壁紙とは、壁紙のすぐ裏がコンクリートになっているタイプのつくりのことです。
この構造は、マンションではとても多く使われていますが、
冬はコンクリートが冷え、壁紙の裏側が“氷のように冷たく”なります。
そこに室内の湿気が触れると、
・すぐに結露する
・一度濡れると乾きづらい
・裏側でカビが育ちやすい
という状態になります。
つまり、直張り壁紙は
「結露が出やすい構造」 だということです。
■ 3. マンションは「空気が止まる凹み」が多く、結露が集中しやすい
マンションの場合、特に次のような場所は空気が動きにくく、結露しやすい傾向があります。
・壁と壁が合わさる入隅(いりすみ)
・梁(天井の出っ張り)と壁の合わさる部分
・天井と壁の合わさる廻り縁(まわりぶち)特に外壁側は結露が発生しやすい
・天井 × 壁 × 壁が合わさる上部の凹み(入隅の上部になります)
・壁 × 壁 × 梁が重なる深い凹み部分(直張り壁紙の結露が最も多い場所)
こうした角や凹みは、
空気の流れが堰(せ)き止められてしまい、
湿気が溜まりやすい場所です。
戸建住宅では「天井と壁と壁の入隅」は 4箇所ほど ですが、
マンションでは 13箇所以上 あることも珍しくありません。
つまり、
|マンションは構造上“空気が止まる場所”がとても多い → 結露が出やすい
という宿命があります。
そこに家具やベッドを近づけすぎると、
裏側は完全に空気が止まり、
結露 → カビの繁殖が一気に進みます。
仕事で家にいない時間が長いと、
裏側の変化に気づくのが遅れ、
表に黒カビが出てきた時には、すでに裏側が相当進んでいるケースも多いです。
■ 4. 壁紙張替えでは直張りの結露は止まりません
今回の東京都中野区(特例エリア)のお部屋で一番大切なポイントはここです。
防カビ仕様(今の壁紙のほとんど)の壁紙にしても、
防カビ剤入りの壁紙糊で張っても、
直張り壁紙の裏側の結露は止まりません。
なぜなら、
結露の原因は「壁紙ではなく、コンクリートの冷たさ」だから
壁紙の裏側はずっとコンクリートのままだから
構造自体が変わっていないから
です。
つまり、
壁紙張替えだけでは必ず再発します。
これは、プレモの20年以上の現場経験から断言できます。
一冬越えたらもうカビが発生し始めます。
同じことを何度繰り返しますか?
■ 5. ピンポイントの冷えやすい場所だけを正確に施工
東京都中野区(特例エリア)のお部屋では、部屋全体が悪いわけではなく、
・梁の下
・外壁側の凹み
・空気が止まる奥まった部分
この“冷えやすい場所だけ”が問題でした。
なので、
凹んだコンクリート下地部分の施工で十分に成立したケースでした。
■ 6. カビ取り → 殺菌消毒 → 防カビ施工で菌を抑止
まずは、裏側まで進行したカビを確実に取り除く工程です。
① カビ取り
② 殺菌消毒
③ 防カビ施工
この3つの工程を順に行うことで、
菌を抑止し、再発の原因を断つ ことができます。
📷写真は、カビ取り含む防カビ工事直後になります。
この後乾燥させ、翌日壁紙張りを行うのが一般的です。
この時は、違うアプローチをしています。
■ 7. 結露対策用シート貼りが工事の“本丸”
直張り壁紙の裏側の結露を抑えるには、
コンクリートの冷たさを直接やわらげる必要があります。
その役割を果たすのが、結露対策用シート です。
・工事中に大きな音を立てない。
・厚さ4mm未満なので、圧迫感もない。
・建具枠・窓枠・巾木を交換することなく、はみ出ることもない。
・シートに吸放湿効果がある。
という点が優れています。
結露対策用シートに張る壁紙は、吸放湿壁紙指定になります。
これは、結露対策用シートの特性を生かすためです。
分譲マンション・団地だけでなく、
賃貸マンション・団地や分譲賃貸のコンクリート直張り壁紙
に対応可能ですので、オーナー様はぜひご検討ください。
📷写真は、東京都中野区の分譲マンションのイメージ画像です。
工事は3日間になります。最後に吸放湿壁紙張りで完了になります。
■ 8. 仕上げは吸放湿壁紙|直張り壁紙との相性が抜群
最後の仕上げは吸放湿性能のある壁紙を使用します。
量産壁紙は湿気を抱え込みやすく、
逆に再発しやすいためおすすめしません。
吸放湿壁紙は、
・室内湿度のバランスを整える
・壁紙裏の湿気を逃がしやすくする
・直張りの弱点を補う
という役割があります。
このため、防カビ結露対策工事との相性が非常に良い壁紙です。
ちなみに、プレモが採用しているサンゲツの吸放湿壁紙には、
「6帖の部屋で施工した場合、コップ6杯分の湿気を吸収・放出できる」
という性能説明があります。
もちろん環境によって変わりますが、
吸放湿壁紙は「湿気の調整が得意な壁紙」であり、
とても大きな効果が期待できます。
特に、
結露対策用シートが一度湿気を取り込んだあとに乾燥する工程では、
吸放湿壁紙が湿気を上手に逃がしてくれるため、さらなる効果向上が見込めます。
直張り構造の“湿気がこもりやすい弱点”を補い、
工事の持続力を高める大切な仕上げ工程になります。
■ 結論|結露を止めることは、健康と建物を守ること
東京都中野区のお部屋では、
「コンクリート直張り壁紙」という構造が原因で、
壁紙の裏側に結露が続き、黒カビが広がっていました。
冷えやすい“空気が止まる場所”だけを正確に施工し、
カビ取り → 殺菌消毒 → 防カビ施工 → シート貼り → 吸放湿壁紙
という流れで改善することが可能です。
お困りの時は、プレモまで相談ください。
最後にお伝えしたいことはひとつ。
結露を止めることは、健康と建物を守ること。
結露やカビを止めて快適な生活をお過ごしください。
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有限会社プレモ
〒362-0062
埼玉県上尾市泉台3-17-28
電話番号 : 048-793-7148(担当:山田)
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