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【埼玉】建築中に雨が降った住宅の危険性|構造用合板と床下の湿気管理

【埼玉】建築中に雨が降った住宅の危険性|構造用合板と床下の湿気管理

【埼玉】建築中に雨が降った住宅の危険性|構造用合板と床下の湿気管理

2025/11/01

■ 建築中の雨、よくあるけれど「大丈夫」ではない

注文住宅の建築中に雨が降ることは珍しくありません。
しかし、「自然乾燥すれば大丈夫」と判断してはいけません。
構造用合板や木材の内部では、水分が残ったまま菌が活動を始めることがあります。
乾いて見えても、内部では灰汁(あく)やカビが発生し、長期的には強度低下の原因となることもあります。

📷は、雨が降った時の構造用合板のイメージ画像です。
このように雨で構造用合板が濡れると、水分含有量も表面から奥に高くなり、灰汁(あく)だけでなくカビの繁殖を助長させます。


■ 最も確実な方法は「構造用合板の交換」

理想的には、濡れた構造用合板をすべて剥がして交換するのがベストです。
そうすれば、床下の湿気は一気に抜け、3日もすればまったく違う環境になります。
しかし現実には、建築会社の費用負担が増えるため、交換に踏み切るケースは稀です。

なかには、

「雨で濡れた構造用合板は交換可能だが、費用はお客様負担」
という方針の建築会社も存在します(埼玉県内でも確認されています)。

そのため、契約時に“雨天時の対応”を確認しておくことが極めて重要です。
どの範囲で交換・乾燥・除湿を行うのか、費用負担は誰にあるのか──
この点が曖昧なままでは、工事中に雨が降った際にトラブルとなる可能性があります。

📷写真は、大雨に何度も遭遇しずぶ濡れになった構造用合板の灰汁(あく)とカビです。
このまま放置してフローリング材を貼ってはいけませんが、中には灰汁やカビを無視してそのまま貼るような業者もいますので、施主様はご自身の眼で確認・判断する必要があるでしょう。


■ 合板を開口して湿気を抜く「現実的な方法」

全交換が難しい場合は、アットランダムに構造用合板を剥がして湿気を逃がす方法も有効です。
このときに活躍するのが、除湿機です。
ただし、除湿機を使用する前に床下のカビ状況を確認することが前提となります。

入り組んだ奥の部分は乾きにくく、合板を一部開口して空気を通す工夫が必要です。
確かに床鳴りリスクはありますが、湿気を閉じ込めるよりははるかに安全です。
乾燥を優先し、構造体を守る。これが建物保全の第一歩です。

ただ、乾燥させればカビ発生しない!と考えるのは大きな間違いであり、カビが繁殖する状況が一度スイッチが入ってしまうと、カビは繁殖してしまいますので別途カビ対策を行う必要があります。

「乾燥させても一度濡れた合板や木材にカビは繁殖する」ことを忘れてはいけません。

📷写真は、雨に濡れた構造用合板と床下を乾燥させるために合板をアットランダムに剥がしたところ。
これだけでは乾燥促進状況とは言えません。ここまで濡れると本来は構造用合板を全交換する必要が出て来るでしょう。できない時は徹底的な防カビ工事にすがるしかありません。


■ 除湿機の活用と注意点

床下高が十分ある場合は、小型除湿機の導入が現実的です。
ただし機種選定には注意が必要で、
・タンク容量
・排水方法
・周囲温度の制約
が関係します。

タンク式の場合はこまめに水を抜く作業が必要ですが、ホース排水タイプなら長時間稼働も可能です。

ジェットヒーターや送風機を使う方法もありますが、急激な表面乾燥による割れや剥がれ、そして湿気戻りを招きやすいため、おすすめできません。

📷写真は、竣工後床下点検口からキッチン周りの床下湿度が高いため、除湿機で3日間稼働させた時のものになります。タンクの水捨てはこまめに行う必要がありますが、かなり湿気がなくなり見違えるような床下空間になりました。
 

【補足:合板の水分含有量について】
JAS規格での定義
構造用合板の製品基準では、製造時点で平均含水率が10〜15%前後になるよう管理されています。
ただし現場での施工時は、20%を超えない範囲が実用上の限界とされます。

🔷理由
含水率が20%を超えると、

・表層単板の膨張 → 接着層の剥離
・カビ・腐朽菌の発芽条件(約20〜30%)に到達
・含水膨張による釘浮き・床鳴り
といったリスクが一気に高まります。

🔷現場目安
含水率計で18〜19%以下なら施工可能。
22%以上の場合は再乾燥または防カビ処理+除湿機稼働と送風乾燥を推奨します。


■ そして最も重要な工程「防カビ工事」

構造用合板の交換ができない場合でも、カビ対策として防カビ工事だけは必ず行いましょう。
薬剤の浸透は表面から約3mm程度にとどまりますが、表面上のカビを抑止するには十分です。

施工時は、構造用合板の上に建材や木材を置かずに作業できるタイミングが理想です。
床下高が40cm以上ある住宅なら、床下から防カビ工事を行うことも可能です。
ただし、排水管の留め金具などで奥まで進入できないケースもあり、その場合は一部の床を剥がして、そこから侵入・施工する必要があります。

どれほど乾燥させても、一度発生したカビの根は消えません。
乾燥後は必ず、カビ取り → 殺菌消毒 → 防カビ施工の三段階を行うことが大切です。
防カビ施工は単なる「仕上げ」ではなく、建物を守る化学的防壁です。

乾燥と防カビ工事をセットで行うことで、再び湿気が発生しても菌の再活性化を抑え、構造体を健全に保つことができます。

プレモの考え方はシンプルです。
菌を止めるからこそ、現象(臭気・再発・劣化)も止められる。
防カビ工事は「乾かす」で終わらせない、“再発させない施工”なのです。


■ まとめ

建築中に雨が降った際、「乾けば問題ない」という判断は危険です。
乾いたように見えても、内部では灰汁・カビ・菌の活動が続いている可能性があります。

構造用合板を交換するか、部分開口と除湿で確実に乾燥させるか。
そして乾燥後には、必ず防カビ工事を実施する。
この3つが揃って初めて、長く住める健康な家になります。

最後に家を守るのは施主様です。
ご自身の家を確認することは、決して悪いことではありません。
建築会社任せにせず、工程中の「雨上がりチェック」を行いましょう。


👉 雨に濡れた建築中住宅の構造用合板でお困りの時は、「こちらのページ」もご覧ください。

👉 建築中注文住宅の構造用合板カビの施工事例は、「こちらのページ」をご覧ください。


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